症例は51歳の男性で2カ月前より左側腹部腫瘤を自覚し, 当科受診となった. 入院時現症では表面平滑で可動性のある腫瘤を触知し, 腹部CTで嚢胞性部分と充実性部分の混在する20cm大の腫瘍を認めた. 術前検査から確定診断には至らないものの, 上部小腸由来の腫瘍が考慮され, 開腹術を施行した. 腫瘍は上部空腸から発生し, 空腸部分切除を伴う腫瘍摘出術を施行した. 腫瘍の嚢胞内容は凝血塊を伴う褐色血性であり, 腫瘍の腸管壁付着部には充実性成分を認めた. 病理組織検査では, 紡錘形細胞が錯綜配列をとって増生し, 免疫染色でCD34陽性, c-kit陽性であり, 空腸より発生した間葉系腫瘍と診断した. 自験例を含めた嚢胞成分を伴った間葉系腫瘍の本邦報告37例について若干の文献的考察を加え報告する.