日本臨床外科学会雑誌
Online ISSN : 1882-5133
Print ISSN : 1345-2843
症例
経後腹膜的に膵液ドレナージ後, 副膵管の開存により軽快したIIIb型膵損傷の1例
黒田 久志田中 将也谷脇 智
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キーワード: 膵損傷, 膵液瘻, 副膵管
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68 巻 (2007) 9 号 p. 2328-2331

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抄録

膵損傷は日本外傷学会膵損傷分類により, I型 (挫傷), II型 (裂傷), IIIa型 (膵体尾部膵管損傷), IIIb型 (膵頭部膵管損傷) に分類されている. III型膵損傷では, 一般に膵管再建, 膵切除を含んだ手術が必要とされている. われわれは, IIIb型膵損傷に対して, 経後腹膜的に膵液ドレナージを行い, 副膵管の開存により, 2期手術を回避しえた症例を経験した. 症例は54歳, 男性. 馬に心窩部を蹴られ受傷した. 当初, II型膵損傷と診断し, 保存加療を行った. 受傷6日目の核磁気共鳴胆道膵管造影 (MRCP) で膵頭部の膵管損傷を認めた. 後腹膜に脂肪壊死, 膵液瘻を形成したため, 経後腹膜的にネクロセクトミー, 膵液ドレナージを施行した. 2期手術などを予定していたが, 副膵管から副乳頭を介して膵液が流出し軽快した. 腹腔内に合併損傷のないIIIb型膵損傷に対して, 経後腹膜に膵液ドレナージは有効と思われた.

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© 2007 日本臨床外科学会
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