日本臨床外科学会雑誌
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症例
虫垂の癒着による絞扼性イレウスの1例
岡田 一郎日比 健志白畑 敦松原 猛人木川 岳真田 裕
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69 巻 (2008) 10 号 p. 2592-2595

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抄録

症例は57歳,男性.平成19年12月初旬,朝から腹痛が出現し,近医受診.急性腹症と診断され入院した.翌日,腹痛が増悪し,腹膜炎の疑いで当院紹介となった.腹部CT上,絞扼性イレウスと診断し,同日緊急手術を行った.正中切開にて開腹したところ,淡血性の腹水が大量に貯留していた.虫垂炎により虫垂先端と回腸,大網が癒着し,その間隙に回腸が約1mはまり込み,内ヘルニアを生じていた.回腸は赤紫色を呈し,絞扼性イレウスと診断した.絞扼解除後,絞扼腸管は蠕動あり,色彩改善もみられ,虫垂のみ切除し腸管切除は行わず手術は終了した.虫垂炎は急性腹症の中でもありふれた疾患である.虫垂炎の合併症として,術前の麻痺性イレウスと術後の癒着性イレウスは経験されるが,絞扼性イレウスを合併した症例報告は稀である.本邦では,自験例を含めて12例と少なく,比較的稀と考えられるので報告した.

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© 2008 日本臨床外科学会
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