症例は76歳,女性.検診マンモグラフィ(以下MMG)で右乳輪近傍の腫瘤を指摘され,精査目的で外来受診した.触診上,右C領域の乳輪近傍に直径0.8cm大の表面平滑,境界明瞭で可動性良好な硬い腫瘤を触れた.MMGでは円形,境界明瞭で乳腺と等濃度の腫瘤を右乳輪近傍に認めた.超音波検査で腫瘤は充実性エコーパターンを示し,円形,境界明瞭で内部エコーは均一で低~等エコー,後方エコーは増強していた.穿刺吸引細胞診で鑑別不能と診断されexcisional biopsyを行った.病理学的には中心部にadenosis様の大小の腺管があり,周辺には軟骨化生が目立ち,乳腺pleomorphic adenomaと診断された.外来で経過観察中であるが約1年経過した現在,再発の徴は認めていない.