日本臨床外科学会雑誌
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症例
34年後に出現した乳癌術後局所再発の1例
長谷川 聡千島 隆司樋口 晃生渡辺 一輝池 秀之
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キーワード: 乳癌, 晩期再発
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2008 年 69 巻 11 号 p. 2804-2808

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抄録

症例は75歳,女性.38歳の時左乳癌ため胸筋合併乳房切除術+卵巣摘出術を施行された.病理等の詳細は不明である.72歳ごろより左胸壁に腫瘤が出現し徐々に増大し,出血を認めたため平成17年11月上旬近医受診し,生検で乳癌と診断された.CT上左前胸部の腫瘤は縦隔,心嚢へ浸潤していた.Anastazole,Trastuzumabの投与を開始し,放射線照射を計61Gy行った.75歳時に転居に伴い当院へ転院となったが,胸壁の病変は徐々に縮小し現在PRとなり,鎮痛目的で用いていたフェンタニールパッチも不要となった.再発に対し治療を開始後2年現在,外来でAnastazoleを単独投与し,PRを維持している.

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© 2008 日本臨床外科学会
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