日本臨床外科学会雑誌
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原著
漏斗胸に対するNuss手術におけるバーの3点固定法の検討
上原 忠司山里 將仁知念 順樹伊禮 聡子早坂 研松浦 文昭豊見山 健久志 一朗宮里 浩久高 学山城 和也
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2008 年 69 巻 12 号 p. 3048-3052

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抄録

漏斗胸に対するNuss手術の術後合併症であるバーの移動は,胸壁の再陥凹を引き起こし,再手術や再固定術が必要となる.われわれは,その合併症を防止する目的で2004年4月以降の症例では,両側胸部の2点でバーを固定する従来のNuss手術に加えて右前胸部で通過部の肋骨にバーを固定する3点固定法を行っている.今回,3点固定法を用いてNuss手術を行い,バー抜去術まで施行された25例を対象にその有用性を検討した.手術時の平均年齢は9歳(5-16歳).男17例,女8例.術前のHaller Indexは5.1(3.3-10.4).バーの使用数は1本24例,2本1例.平均手術時間は102分(75-172分).術後合併症は肺炎4例,血胸1例で,バーの移動を認めた症例はなく,全例,バー抜去術が施行され,満足の行く結果であった.Nuss手術における3点固定法は,術後のバーの移動を予防する方法として有用であると思われた.

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© 2008 日本臨床外科学会
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