日本臨床外科学会雑誌
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症例
若年女性に発症した巨大肺腫瘍─不完全型Carney's triadの1例─
平安 恒男古堅 智則兼城 隆雄伊地 隆晴國吉 幸男上原 忠大
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2008 年 69 巻 12 号 p. 3113-3118

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抄録

症例は16歳,女性.学校検診時の胸部レントゲン検査にて左肺異常陰影を初めて指摘された.肺陰影の精査中に腹痛出現,胃内視鏡検査にて胃体部小彎側に粘膜下腫瘍を指摘された.FDG-PET検査にて,肺病変,胃病変共に有意なFDG集積所見を認めた.胃部分切除術と,左肺下葉切除術を施行した.胃粘膜下腫瘍はgastrointestinal stromal tumor(以下GIST),肺腫瘍は肺軟骨性過誤腫の診断となった.Carney等は,gastric leiomyosarcoma,functioning extra-adrenal paraganglioma,pulmonary chondromaの3病変のうち,2病変以上を合併する症例を1つの症候群(Carney's triad)として提唱した.最近では,胃病変はgastric leiomyosarcomaだけではなく,GISTを含めて報告されている.当症例は,副腎外傍神経節腫瘍を伴わない,いわゆる不完全型Carney's triadと考えられた.文献的考察を加えて報告する.

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© 2008 日本臨床外科学会
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