69 巻 (2008) 12 号 p. 3185-3189
症例は2度の開腹歴のある73歳,女性.間欠的腹痛を主訴に当院外来を受診,腸閉塞の診断で入院した.入院後イレウス管による保存的治療で改善せず,入院後9日目に手術を行った.回盲部より220cmの小腸に径6.5cmの管外性に発育した腫瘤を認めた.回盲部とS状結腸間に形成された索状物が小腸の嵌頓,捻転の基点となり,腫瘍が捻転の先進部となっていた.小腸に壊死や癒着なく,索状物を切離後に容易に捻転を解除できた.小腸部分切除を行い,腫瘍を摘出した.病理組織検査にて小腸GISTと診断された.腫瘍径は6.5cmで,核分裂像は5/50HPF以下であったため中リスク群に分類した.小腸GISTが非還納性イレウスに関与したと思われる稀な症例を経験したので若干の文献的考察を加え報告する.