日本臨床外科学会雑誌
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原著
急性虫垂炎手術の頻度は減少しているか─定期健康診断時の虫垂炎手術既往病歴の調査から─
三橋 武弘
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2008 年 69 巻 5 号 p. 1003-1008

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抄録

虫垂炎手術は減少傾向にあるが,その実態についての報告は少ない.そこで,郵政職員の平成19年度の定期健康診断時に際して急性虫垂炎の手術既往についての聞き取り調査を行い,急性虫垂炎で手術した既往の頻度を検討した.聞き取り調査した60,50,40,30,20歳代での各年代別の虫垂炎手術既往者は若年齢代ほど,頻度が少なくなっていた.このことは虫垂炎手術症例の減少を示している.また,この頻度の減少は,成人時に手術を受けた職員の減少が中心で,小児期での手術症例が相対的に多くなっていた.これらのことから,急性虫垂炎は小児疾患の一つとして固まっていく可能性を示唆していた.

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© 2008 日本臨床外科学会
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