日本臨床外科学会雑誌
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症例
盲腸のinflammatory fibroid polypを先進部とした成人腸重積症の1例
伊藤 博道淀縄 聡加藤 昭紀野崎 礼史小川 功
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69 巻 (2008) 5 号 p. 1125-1128

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抄録

症例は32歳,女性.腹痛・血便を主訴に外科受診した.腹部全体に圧痛があり,腹部超音波検査および腹部CT検査にて肝彎曲付近にtarget signを認めたため,腸重積症と診断,同日入院,緊急手術を施行した.術中所見では,盲腸から終末回腸にかけて約20cmが上行結腸内に重積する回結腸型の腸重積であった.用手整復すると,先進部は盲腸で,この部に約3.5cm大の弾性硬な腫瘤を触知した.悪性腫瘍も否定できないため結腸右半切除術(D3)を施行した.病理組織検査では,盲腸壁の4×3.5cm大の隆起性病変で,粘膜層のびらん・出血・壊死と,粘膜下層の著明な浮腫・炎症細胞の浸潤と線維芽細胞の増生を認めinflammatory fibroid polyp(IFP)と診断された.術後経過は良好で13病日に退院,現在まで3年間,再発も認めない.消化管のIFPは稀であるが,成人腸重積症の原因の鑑別診断時には考慮すべき疾患である.

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© 2008 日本臨床外科学会
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