日本臨床外科学会雑誌
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症例
金属アレルギー患者に対するpolytetrafluoroethylene被覆下ペースメーカー植込み術の1例
松浦 陽介濱中 喜晴三井 法真平井 伸司
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2008 年 69 巻 9 号 p. 2193-2197

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抄録

症例は55歳,女性.意識消失発作にて,精査が施行された.頭蓋内病変は認められず,24時間ホルター心電図にて2:1高度房室ブロックが認められた.そのため,意識消失はAdams-Stokes発作と診断され,ペースメーカー(Pacemaker:PM)植込み術の予定となった.しかし,金属アレルギーの既往があったため,外来にて金属パッチテストを施行した.PMに使用されている金属にアレルギーは認められなかったが,予防的にPM本体をpolytetrafluoroethylene(PTFE)シート(ゴアテックスシート®)にて被覆し,植込み術を行った.植込み後12カ月が経過したが,PM植込み部のトラブルは生じていない.PMアレルギーのためPM植込み部の皮膚炎を繰り返す症例に対し,PTFEシートを使用した報告はいくつかある.今回われわれは,予防的PTFEシート被覆にてPM植込み部トラブルを回避した,金属アレルギーの1症例を経験したため,報告する.

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© 2008 日本臨床外科学会
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