日本臨床外科学会雑誌
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症例
同時性両側閉鎖孔ヘルニア嵌頓の1例
伊藤 貴明平松 聖史待木 雄一桜川 忠之宮田 大士加藤 健司
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キーワード: 閉鎖孔ヘルニア, 両側, 嵌頓
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2009 年 70 巻 1 号 p. 257-260

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抄録
症例は87歳,女性.2007年9月,腸閉塞の診断で近医から紹介.Howship-Romberg徴候を認めたため閉鎖孔ヘルニアを疑った.CTでは両側閉鎖孔ヘルニア,左大腿ヘルニア,小腸の腸閉塞像を認めた.閉鎖孔ヘルニア嵌頓と診断し,同日緊急手術を施行した.開腹所見では,両側の閉鎖孔に嵌頓する小腸を認め,これを用手的に整復した.陥入していた2カ所の小腸ともに壁内血腫を認めたが,壊死には至らず腸切除術は行わなかった.左閉鎖孔嵌入部に腸管径の差を認め,腸閉塞の原因と考えられた.また,左大腿ヘルニアも認めた.修復は正中開腹創から腹膜前到達法によるtension free mesh repairを行った.閉鎖孔ヘルニアは,高齢女性の腸閉塞の原因として時に経験するが,両側の閉鎖孔ヘルニアの嵌頓例を見ることは少ない.この症例に関して文献的考察を加え報告する.
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© 2009 日本臨床外科学会
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