日本臨床外科学会雑誌
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原著
大腸癌待機手術における機械的腸管前処置の必要性の検討
野田 英児前田 清井上 透永原 央六車 一哉山田 靖哉澤田 鉄二仲田 文造大平 雅一西口 幸雄池原 照幸平川 弘聖
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2009 年 70 巻 12 号 p. 3490-3494

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抄録

目的:大腸癌待機手術における術前機械的腸管処置(MBP:mechanical bowel preparation)の有無による術後合併症の発生の検討を行い,その必要性を明らかにする.対象:2003年5月から2007年10月の間に当科で待機手術を行った,結腸癌切除症例および直腸癌前方切除症例467例を対象とした.方法:術前に,MBP施行群と非施行群に無作為に患者の割り付けを行った.MBPの有無と,主な術後合併症として,創感染,縫合不全,腸閉塞の発生との関連を検討した.また,手術時間,出血量との相関をみることにより,手術操作への影響を検討した.結果:全症例,結腸癌症例,直腸癌症例,腹腔鏡補助下手術症例のいずれの群においても,MBPの有無による術後合併症の発生および,手術時間,出血量に有意差はみられなかった.結論:大腸癌の待機手術症例では,MBPは必ずしも必要ではないことが示唆された.

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© 2009 日本臨床外科学会
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