70 巻 (2009) 4 号 p. 1109-1112
症例は35歳,女性.便秘,下腹部痛を主訴に近医を受診,腸閉塞症の診断にて入院となった.2年前に帝王切開の既往があった.保存的治療にて改善しないため,精査加療目的にて当センターへ紹介された.腹部単純CT検査にて横行結腸の著明な拡張,下行結腸からS状結腸に大量の便貯留を認めた.注腸造影検査では造影剤はRsより口側へ通過せず,いわゆるbird beak sign様所見を呈した.大腸内視鏡検査では肛門より約20cmの部に狭窄を認め,同部より口側へはファイバー挿入不能であった.S状結腸の著明な拡張像は認めなかったが,注腸造影検査と大腸内視鏡検査所見から,内視鏡的整復不可能なS状結腸軸捻転症疑いにて緊急手術を施行した.手術所見では,S状結腸腸間膜と子宮後面の間に形成された索状物により,Rsで閉塞をきたしていた.腸管壊死はきたしておらず,索状物切除のみ施行した.術後は特に合併症無く経過し,術後第14病日に退院となった.