70 巻 (2009) 5 号 p. 1297-1301
症例は71歳,女性.右乳房A>C領域に拍動を有する鶉卵大の腫瘤を触知した.超音波検査で血管と思われる無エコー域を血栓と思われる低エコー域が層状に被包する脈瘤を認め,ドプラ超音波で無エコー域内に明瞭な血流と拍動を認めた.造影CT検査で腫瘤への流入血管は内胸動脈と外側胸動脈の分枝と確認した.乳腺仮性動脈瘤の診断で摘出術を施行した.摘出標本では比較的太い血管を器質化した血栓が層状に被包する腫瘤であった.病理検査で内膜および中膜が破綻した血管とそれを被包する血栓と結合織を認め,乳腺仮性動脈瘤と診断した.乳腺仮性動脈瘤は本邦報告例のない極めて稀な疾患で,文献的考察を加え報告する.