日本臨床外科学会雑誌
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Print ISSN : 1345-2843
症例
回腸消化管重複症による急性腹症の1例
三好 修調 憲宮崎 充啓近藤 潤也栗原 秀一大屋 正文中塚 昭男長家 尚
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2009 年 70 巻 6 号 p. 1722-1725

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抄録

回腸の重複腸管の炎症による急性腹症の1例を経験した.症例は39歳男性.下腹部痛を主訴に近医受診し虫垂炎の診断で当院紹介受診.理学所見は限局性腹膜炎を伴った急性虫垂炎様であるが,CTで虫垂は正常,回腸に強い炎症を認めたため,腹膜炎を伴った回腸の炎症性疾患の診断で緊急手術を行った.Bauhin弁より約60cm口側回腸の腸間膜側に腸間膜を有する憩室を認め,炎症性に周囲回腸と癒着しており,憩室を含めた回腸を切除した.病理学的には異所性胃粘膜と平滑筋を有する真性憩室で,異所性胃粘膜を有することより,メッケル憩室との鑑別が困難であったが,憩室が腸間膜側に存在し,隣接する回腸と血管を共有していたため腸管重複症と診断した.成人の消化管重複症は比較的稀な消化管奇形であり,術前診断は困難なことが多く,他の疾患が除外された際は本症を考慮する必要がある.

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© 2009 日本臨床外科学会
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