日本臨床外科学会雑誌
Online ISSN : 1882-5133
Print ISSN : 1345-2843
症例
Amyand's herniaの1例
堀池 正樹池辺 孝寺倉 政伸
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70 巻 (2009) 6 号 p. 1879-1883

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抄録

症例は69歳,男性.平成19年9月26日に当院にてS状結腸癌および多発肝転移と診断され化学療法開始されていた.平成20年4月2日頃より右下腹部疼痛認め,同年4月10日右下腹部疼痛増強自覚し当院受診,鼠径部硬結・圧痛認め,腹部CTにて鼠径ヘルニア嵌頓と診断,緊急手術入院施行した.
術中所見では肥厚した精索に癒着伴走する鶏卵大のヘルニア嚢を認め,切開すると黄緑色混濁膿汁と供に著明な炎症を伴い腹腔内に連続する索状物を認めた.一部切開すると壊死に陥った粘膜を認めヘルニア内容は虫垂と術中診断した.ヘルニア嚢と虫垂は強固に癒着し剥離不可能であったためヘルニア嚢ごと虫垂根部を二重結紮切離した.修復はiliopubic tract repairにて行った.術後は創感染なく15日目に軽快退院となった.
虫垂がヘルニア内容となりさらにその虫垂が嵌頓した鼠径ヘルニアは極めて稀でありAmyand's herniaと呼ばれているが文献的考察を加えて報告する.

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© 2009 日本臨床外科学会
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