日本臨床外科学会雑誌
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症例
保存的治療にて軽快した餅による食餌性イレウスの1例
十倉 正朗文 宣貴上坂 邦夫勢馬 佳彦杉本 武巳
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70 巻 (2009) 9 号 p. 2726-2731

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抄録

保存的治療にて軽快した餅による食餌性イレウス症例を経験した.症例は39歳,女性.受診3日前より腹痛が出現,徐々に増強してきたため近医受診した.腹部CTにて胃内4個,回盲部に1個の高吸収域とこれによる嵌頓所見,この口側小腸の拡張・イレウス所見を認めた.問診をも考慮し餅による食餌性イレウスと診断した.腹膜刺激症状や炎症所見がないため,抗コリン剤のブチルスコポラミン臭化物(ブスコパン®)と,消化酵素剤であるベリチーム®を使用し保存的に経過観察した.腹痛は徐々に改善し,2日余りの経過観察にて腹部CT上,胃内,回盲部の高吸収域は消失,イレウス所見も消失した.
餅による食餌性イレウスは受診時にほぼ診断が可能で,手術適応の有無を観察しつつも鎮痙剤のブスコパン®や消化酵素剤の使用にて保存的治療ができる症例があると考えられた.

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© 2009 日本臨床外科学会
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