2010 年 71 巻 10 号 p. 2507-2514
近年マンモグラフィ(MMG)微小石灰化のみを指摘される症例が増加しており,診断に苦慮することが多い.われわれは石灰化病変におけるMRI所見と診断について検討を行った.2006年7月~2009年3月にMMG石灰化を指摘され精査目的に受診した患者のうち,MRIを施行した124症例を対象とした.MRIで造影される病変の形態と造影動態をBIRADS-MRIを参考に分類し組織診の結果を照らし合わせた.
MRIで異常濃染像が見られなかった病変は全て良性の結果であった.Massパターンでは80.0%と悪性の割合が高く,Non-mass like enhancement病変でも半数以上で悪性の結果であった.5mm以下の病変であるFocus/Fociパターンでも3割程度で悪性の結果がみられた.
MRIは所見陽性例では良悪性の予測がある程度可能であり,所見陰性例ではST-MTBを省略しうる,非常に有用な検査であると考えられる.