日本臨床外科学会雑誌
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症例
腹腔鏡下脾臓摘出術後に脾原発炎症性偽腫瘍と診断した1例
加藤 恭郎前田 哲生垣本 佳士百武 威遠藤 幸丈村上 修
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キーワード: 炎症性偽腫瘍, 脾臓, 腹腔鏡
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2010 年 71 巻 10 号 p. 2710-2715

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抄録

脾臓の炎症性偽腫瘍(inflammatory pseudotumor,以下IPT)はまれな疾患である.特徴的な画像所見がなく,術前診断は困難である.診断的治療として脾臓摘出術が行われることが多い.今回,偶然発見された脾腫瘍に対して腹腔鏡下脾臓摘出術を行い.脾原発IPTと診断した1例を経験したので報告する.症例は48歳,男性.左腎盂尿管移行部狭窄症,尿路結石の診断で当院の泌尿器科に通院中であった.今回,左腎盂尿管移行部狭窄症の精査目的で撮影された造影CTで,脾臓に2cm大の腫瘍を指摘され当科を紹介された.腹腔鏡下脾臓摘出術の適応と考え,手術を行った.悪性疾患も否定できないため,脾臓の皮膜を破らぬよう注意しつつ脾臓摘出術を行った.術後の病理組織診断で脾のIPTと診断した.術中術後経過は極めて良好で,術後6日目に通院した.本邦で腹腔鏡下脾臓摘出術を行ったIPTの報告は本例を含めて19例であった.文献的考察を加えて報告する.

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© 2010 日本臨床外科学会
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