日本臨床外科学会雑誌
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症例
留置メタリックステントが抜去可能であった良性胆管狭窄の1例
高嶌 寛年佐々木 明佐々木 薫
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2010 年 71 巻 11 号 p. 2948-2953

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抄録

症例は60歳,男性.胃癌にて幽門側胃切除術,BillrothI法再建を行った.術後1カ月目に急性胆管炎,閉塞性黄疸が出現し,精査の結果,良性の総胆管の狭窄と診断し経皮経肝胆道ドレナージ(PTCD)を行い減黄をはかるとともに経皮経肝的バルン拡張術等試みるが成功せず,黄疸出現後2カ月目にexpandable metallic stent(EMS)を留置した.これにより症状は劇的に改善しEMS留置1カ月後に外瘻チューブも抜去し軽快退院した.しかし,EMS留置から2年9カ月後に閉塞性黄疸をきたし入院した.総胆管内に結石が充満しており,閉塞性黄疸に対しPTCDを行い胆管洗浄を行いつつ経皮経肝胆道内視鏡(PTCS)を行った.ステントに付着した結石を認めたため,生検鉗子等で結石を破砕しては洗浄吸引する操作を繰り返し一部ステントがほつれてきたところ把持鉗子にてwireを1本ずつ引き抜きEMSを抜去した.以後,総胆管の再狭窄は生じず外瘻チューブを抜去し軽快退院した.

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© 2010 日本臨床外科学会
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