日本臨床外科学会雑誌
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症例
低心機能,低圧較差の大動脈弁狭窄症の1例
笠原 勝彦鎌田 聡岡山 尚久
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2010 年 71 巻 12 号 p. 3080-3083

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抄録

症例は80歳,男性.主訴は労作時呼吸困難.心エコー検査上,左室駆出率は42%と低下,大動脈弁口は0.9cm2と狭小化し弁尖の可動は右冠尖のみに限定され,大動脈弁圧較差は12mmHgでAdvanced stage of aortic stenosisと診断された.ドブタミン負荷心エコー検査を施行し,圧較差の上昇とstroke volumeの増加を認めたため手術適応ありと判断し生体弁による大動脈弁置換術を施行した.術後,心機能の改善を認めた.
低心機能,低圧較差の大動脈弁狭窄症の手術成績は不良であり,その手術適応に関してドブタミン負荷心エコー検査は有用である.

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© 2010 日本臨床外科学会
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