日本臨床外科学会雑誌
Online ISSN : 1882-5133
Print ISSN : 1345-2843
ISSN-L : 1345-2843
症例
反復する虫垂炎に対し妊娠14週に待機的腹腔鏡下虫垂切除術を施行した1例
内藤 雅人山之口 賢政野 裕紀吉村 玄浩
著者情報
ジャーナル フリー

2010 年 71 巻 12 号 p. 3153-3157

詳細
抄録

症例は27歳,女性.第1子妊娠前に初回の虫垂炎を発症し保存的加療にて軽快した.第1子分娩後,6カ月間に3回の虫垂炎を繰り返した.手術適応と判断したが,乳児がいるため保存的加療にて軽快することを繰り返した.出産後3回目,通算4回目の虫垂炎が軽快後,手術を希望されたが,手術直前に第2子妊娠が判明.妊娠中期での待機的虫垂切除を予定したが,妊娠6週に再度虫垂炎を発症.幸い保存的加療にて軽快したため,予定通り妊娠中期14週に気腹下での腹腔鏡下虫垂切除術を施行した.経過良好であり産科的にも問題なく術後4日目に退院した.その後,妊娠40週0日に正常分娩にて第2子を無事出産した.妊婦に対し,気腹下に腹腔鏡下虫垂切除術を施行した報告は本邦ではまだ少ない.若干の文献的考察を加えて報告する.

著者関連情報
© 2010 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top