日本臨床外科学会雑誌
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症例
特異な画像を呈しCrohn病との鑑別が困難であった胃原発同時性転移性大腸癌の1例
金谷 欣明奥本 龍夫藤井 徹也丸山 修一郎横山 伸二
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2010 年 71 巻 12 号 p. 3177-3182

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抄録

症例は60歳,男性.上腹部痛,食思不振,体重減少,下痢により当院内科を受診し,上部消化管内視鏡検査の結果印環細胞癌による4型進行胃癌と診断された.術前腹部CT検査で上行結腸から下行結腸にかけてびまん性の壁肥厚を認めた.注腸造影および大腸内視鏡検査で腸管の広範な狭窄やcobble stone appearanceと思われる所見を認め,Crohn病を合併した進行胃癌との診断で手術を施行した.手術は胃全摘術と,回腸末端から下行結腸までの結腸亜全摘術を行った.病理組織検査結果では胃・大腸ともに低分化腺癌および印環細胞癌の混在を認め,同時性大腸転移をともなう進行胃癌と診断した.極めて特異な画像を呈しCrohn病との鑑別が困難であった胃原発転移性大腸癌を経験したので報告する.

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© 2010 日本臨床外科学会
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