日本臨床外科学会雑誌
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症例
早期胃小細胞癌の1例
大塚 敏広椿 雅光河崎 秀樹竹林 孝晃松田 良一喜安 佳人
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2010 年 71 巻 4 号 p. 928-931

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抄録

症例は83歳,女性.倦怠感,食欲不振が出現し,前医を受診した.貧血を認め,上部消化管内視鏡検査で胃前庭部前壁に隆起性病変を認め,精査加療目的で当院紹介された.生検結果で低分化型腺癌であった.術前検査で他臓器転移は認められず,手術の方針となった.幽門側胃切除,D2リンパ節郭清,Roux-enY法再建術を施行した.切除標本では胃前庭部前壁に1型の隆起性病変を認めた.病理組織学的検査では粘膜下層に,小さく均一なN/C比の大きな腫瘍細胞が充実性の胞巣を形成しており,免疫組織学的には,Synaptophysin,CD56が陽性であり,胃小細胞癌と診断した.幽門下リンパ節1個に,胃小細胞癌の転移を認めた.胃小細胞癌は,早期にリンパ節転移や肝転移をきたしやすく予後不良である.今回われわれは,まれな疾患である早期胃小細胞癌の1例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する.

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© 2010 日本臨床外科学会
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