日本臨床外科学会雑誌
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症例
両側乳腺アポクリン癌の1例
本多 正幸金丸 仁渡辺 貴洋前間 篤横山 日出太郎甲田 賢治五十嵐 達也
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キーワード: アポクリン癌, 両側乳癌, DCIS
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2010 年 71 巻 5 号 p. 1144-1148

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抄録

74歳女性,両側性乳腺アポクリン癌の症例を経験した.右C領域に1.8cmの腫瘤を認め,穿刺吸引細胞診にて悪性であったため,右乳房円状部分切除術+センチネルリンパ節生検を施行した.病理所見は非浸潤性アポクリン癌で,リンパ節転移なし,ER(-)PgR(-),HER2:3+であった.右乳癌手術1年後の超音波検査にて左CA領域に低エコー腫瘤影を認め,針生検にてアポクリン癌と推定した.MRIにて乳管内進展像をみとめ,左単純乳房切除術+センチネルリンパ節生検を施行した.病理結果はアポクリン癌,リンパ節転移なし,ER(-)PgR(-),HER2:1+であった.術後9カ月経過するが再発は認めていない.乳腺アポクリン癌は比較的まれな疾患であるが,われわれの調べる限り両側性の報告は本症例が2例目であり,きわめて稀少なものと思われた.

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© 2010 日本臨床外科学会
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