日本臨床外科学会雑誌
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症例
骨盤外骨盤底筋周囲に再発した直腸肛門管癌の1例
今川 敦夫市川 剛川崎 誠康福長 洋介藤尾 長久亀山 雅男
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2010 年 71 巻 8 号 p. 2081-2085

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抄録

症例は83歳,男性.直腸肛門管癌(RbP,2型,60×80mm,tub2,pA,ly1,vo,pN3(腸管傍リンパ節と左側方リンパ節陽性),M1(左鼠径リンパ節),pStageIV)に対して腹会陰式直腸切断術と左側方・左鼠径リンパ節郭清を施行した.4カ月後右側方リンパ節再発に対して外科的切除と術後化学療法,さらに4カ月後右鼠径リンパ節転移に対して外科的切除と術後放射線療法を行った.今回は,初回手術から1年9カ月後に骨盤外骨盤底筋周囲に局所再発をきたしたため,外科的切除と術後化学放射線療法を行った.現在3度目の再発切除後より1年以上経過するが無再発生存中である.本症は直腸肛門管癌術後再発としては稀な骨盤外骨盤底筋周囲局所再発をきたしたが,術後化学放射線療法を加えた外科的切除が有用であった.

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© 2010 日本臨床外科学会
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