日本臨床外科学会雑誌
Online ISSN : 1882-5133
Print ISSN : 1345-2843
ISSN-L : 1345-2843
症例
卵巣動脈瘤破裂による後腹膜血腫の1例
竹原 清人荒田 尚重安 邦俊金澤 卓田中屋 宏爾竹内 仁司
著者情報
ジャーナル フリー

2010 年 71 巻 8 号 p. 2155-2159

詳細
抄録

症例は40歳代の女性.左側腹部痛と意識消失発作にて発症し,当院に救急搬送された.血管造影にて左卵巣動脈瘤破裂と考えられ,塞栓術を施行した.塞栓術後1カ月目のCTにて後腹膜血腫の増大を認め,外科的なドレナージが必要と考えられたため,後腹膜アプローチにて血腫除去術および止血術を施行し軽快した.卵巣動脈瘤破裂はきわめてまれな疾患であるが,女性の後腹膜血腫をみた場合,本疾患の可能性も念頭に置いて検査を進める必要がある.また塞栓術後に血腫の吸収が遷延する場合には外科的な血腫除去および止血術を積極的に考慮すべきと考えられた.

著者関連情報
© 2010 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top