日本臨床外科学会雑誌
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臨床経験
標準療法抵抗性の再発大腸癌に対するがんペプチドワクチン免疫化学療法の安全性と臨床効果
奥野 清隆杉浦 史哲塩崎 均
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2010 年 71 巻 9 号 p. 2249-2254

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抄録

標準療法抵抗性の再発大腸癌に対するがんペプチドワクチンと経口抗がん剤UFT/LV併用療法の第I相臨床試験を行い,安全性ならびに臨床効果を検討した.がんペプチドワクチンは1)テーラーメイド(TM)型(患者リンパ球の反応性の高いペプチド3~4種)2)大腸癌高発現(CR)型(網羅的遺伝子発現解析から得たがん関連抗原ペプチド2種)を用いた.TM型は14例,CR型は20例に施行したがいずれもGrade2以下の有害事象で,安全に施行しえた.また,RECISTでの腫瘍縮小(CR,PR)は得られなかったが病勢制御(SD)は46~83%に得られた.興味あることにいずれの研究においても免疫応答が強く得られた症例と全生存期間(OS)延長との間で有意な相関が得られ,最長例はいずれも1,000日以上生存している.がんペプチドワクチン療法は安全に施行可能で生存期間延長が期待出来る新たな治療法となる可能性がある.

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© 2010 日本臨床外科学会
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