2010 年 71 巻 9 号 p. 2283-2286
症例は70歳,女性.高血圧にて経過観察されていた.スクリーニングの心エコーを行ったところ右房内に10.5×9.5mmの可動性の高輝度腫瘍状のエコーが認められた.造影CTを撮ったところ右房内に下大静脈を圧迫するように直径28mmの陰影欠損を認めその中に高濃度域が認められた.腫瘍による塞栓,下大静脈を閉塞する恐れなどがあることから緊急手術を行うこととした.人工心肺使用下に右房内腫瘍を摘出.術後経過良好で第15病日に退院した.切除標本で腫瘍は中心部が石灰化した血液嚢腫であると考えられた.