日本臨床外科学会雑誌
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症例
広範囲なリンパ節転移を認めたmicropapillary patternを伴う原発性肺癌の1例
清水 誠一山下 芳典向田 秀則平林 直樹多幾山 渉金子 真弓
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2010 年 71 巻 9 号 p. 2296-2300

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抄録

近年,肺腺癌においてもinvasive micropapillary carcinomaについて報告されており,リンパ節転移や胸膜浸潤,肺内転移の頻度が高いことが報告されている.今回,われわれは多数のリンパ節に転移を認めた原発性肺癌の1例を経験した.
症例は60歳,男性.胸部CTで右肺S6aに18mm大の腫瘤を認め,肺門リンパ節の腫大も指摘された.術前診断はT1N1M0 StageIIAの右下葉肺癌であった.術中まず針生検を行い,迅速病理で肺癌であることを確認し,胸腔鏡補助下右下葉切除+ND2aを行った.組織学的所見で,micropapillary pattern(MPP)を認め,縦隔リンパ節を含めた23/45のリンパ節に転移を認めていた.最終診断はpT1N2M0 StageIIIAであった.MPPを伴う肺線癌はリンパ節転移をきたしやすく,予後不良であり,十分に留意する必要がある.

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© 2010 日本臨床外科学会
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