日本臨床外科学会雑誌
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症例
Osler Weber Rendu病に伴う難治性再発性胃出血および脾動脈瘤に対して胃全摘,脾摘術を施行した1例
西野 豪志中村 敏夫志摩 泰生福井 康雄谷木 利勝堀見 忠司
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2010 年 71 巻 9 号 p. 2341-2346

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抄録

Osler Weber Rendu病は皮膚・粘膜・内臓の多発性毛細血管拡張と拡張血管からの反復する出血を特徴とする遺伝性疾患である.Osler Weber Rendu病に伴う難治性再発性胃出血および脾動脈瘤に対して胃全摘,脾摘術を施行した1例を経験したため報告する.症例は74歳,女性.過去に鼻出血を繰り返し,Osler Weber Rendu病と診断されていたが,平成20年5月以降,胃出血を頻回にきたし,その都度,計10回もの内視鏡的止血術が繰り返されていた.今回も胃出血による出血性ショックの状態で当院に搬送され,内科的治療の限界として外科に紹介となった.内視鏡検査では胃全域に血管拡張病変を認め,胃体上部の拡張血管からの出血を認めた.CT検査で脾動脈瘤の存在も明らかになった.血管拡張病変は全域に渡るため胃全摘術,脾摘術を選択した.

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© 2010 日本臨床外科学会
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