日本臨床外科学会雑誌
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症例
von Recklinghausen病に合併した十二指腸GISTの1例
木村 雄寒川 玲中島 晋福田 賢一郎藤山 准真増山 守馬場 正道竹村 しづき
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キーワード: von Recklinghausen病, GIST
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2010 年 71 巻 9 号 p. 2352-2357

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抄録

症例はvon Recklinghausen病の25歳,男性.腹痛を主訴に当院受診した.CTで大腸炎の所見および十二指腸および上部小腸に接する60×52mm大の分葉状の腫瘍を認めた.大腸炎に対して点滴加療を行い,腹腔内腫瘍に対して精査を行った.シングルバルーン小腸内視鏡で十二指腸上行部に粘膜下腫瘍を疑う所見を認めた.血管造影下CTでは十二指腸以外の病変は認めなかった.十二指腸gastrointestinal stromal tumor(GIST)疑いの診断で開腹手術を行った.十二指腸上行部から横行結腸間膜内に管外性に発育する腫瘍を認め,十二指腸部分切除・端側吻合を行った.病理組織学的にはc-kit,CD34ともに陽性でGISTと診断された.von Recklinghausen病に合併した十二指腸GISTの1例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する.

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© 2010 日本臨床外科学会
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