日本臨床外科学会雑誌
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原著
急性胆嚢炎に対する経皮経肝胆嚢ドレナージ後の腹腔鏡下胆嚢摘出術の検討
長谷川 洋坂本 英至小松 俊一郎久留宮 康浩法水 信治高山 祐一西前 香寿廣瀬 友昭神谷 忠宏日高 渉
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2011 年 72 巻 1 号 p. 1-5

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抄録

急性胆嚢炎の腹腔鏡手術(以下LC)における経皮経肝胆嚢ドレナージ(以下PTGBD),特に早期PTGBDの意義について検討した.PTGBDを先行した待機的LCは119例であった.治療成績は,開腹移行4.2%,平均手術時間111分,発症からPTGBD 4.4日,PTGBDから手術32.8日であった.手術時間に影響する因子は発症からPTGBDまでの期間で,4日以内,特に2日以内では有意に時間が短縮した.また,術前の難易度評価5点以下,CRP値が短期に改善した例では有意に時間が短縮した.PTGBDから手術までの期間,術前の白血球数,CRP値には有意差を認めなかった.中等症以上の急性胆嚢炎例に対して安全に待機的LCを行うためには,PTGBDが有用であり,特に発症4日以内にPTGBDを行うことが重要である.また,早期PTGBDが行われた場合には30日程度の待機期間をおいても安全にLCが施行できる.

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© 2011 日本臨床外科学会
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