日本臨床外科学会雑誌
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症例
術前診断したS状結腸間膜内ヘルニアの1例
甲賀 淳史岩崎 靖士村田 健岡本 譲二清水 壮一高橋 伸
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2011 年 72 巻 1 号 p. 172-175

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抄録

症例は39歳,男性.腹痛を主訴に入院した.保存的に軽快せず,翌日のCTにてS状結腸間膜内ヘルニアと診断し,腹腔鏡下に緊急手術を行った.手術所見ではS状結腸間膜左葉に径約3cmの間膜欠損部が存在して回腸が嵌頓する型のS状結腸間膜内ヘルニアで,嵌入した回腸を引き出し嵌頓を解除した.腸管は虚血に陥っておらず切除不要で,ヘルニア門を縫合閉鎖し手術を終了した.術後経過良好にて術後6日目に退院した.本邦ではこれまでに自験例を含め58例のS状結腸間膜内ヘルニアが報告されている.術前診断された報告は本例を含め5例,腸切除を必要とした症例は5例,腹腔鏡下に加療した報告は本例を含め9例であった.CTによる正確な術前診断により腹腔鏡下手術が可能であったS状結腸間膜内ヘルニアを経験したので報告する.

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© 2011 日本臨床外科学会
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