日本臨床外科学会雑誌
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症例
TTF-1陽性であった大腸癌肺転移の1例
畑 敦塩田 広宣山本 高義平井 文子安川 朋久由佐 俊和尾崎 大介
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キーワード: TTF-1, 大腸癌, 手術
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2011 年 72 巻 10 号 p. 2583-2586

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抄録

症例は62歳,男性.2006年4月前医にて上行結腸癌に対し,回盲部切除+D2郭清術を施行され,2010年4月まで術後化学療法としてUFT単独療法が行われた.2008年9月健診にて右上葉結節影を指摘され経過観察となったが,2010年9月同陰影の明らかな増大を認め当院紹介となった.TBACにてClassV,腺癌と診断された.臨床経過からは大腸癌肺転移が考えられたが,TBLB検体の免疫染色でTTF-1陽性であり,原発性肺癌の可能性を考慮し,手術は右肺上葉切除+ND2aを行った.病理診断は大腸癌の肺転移で,原発巣の免疫染色を追加したところTTF-1陽性であった.TTF-1陽性大腸癌は稀であり,文献的考察を加えて報告する.

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© 2011 日本臨床外科学会
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