2011 年 72 巻 11 号 p. 2801-2805
症例は57歳,女性.2000年に左乳房腫瘤を自覚したが放置していた.2006年7月に左乳房腫瘤の急激な増大,疼痛,出血が出現したため,当院を受診した.初診時左乳房全体を占める15cm大の潰瘍形成を伴う腫瘤を認めた.手術は単純左乳房切除術を施行し,病理所見にて乳腺間質肉腫と診断した.術後8カ月目に上腹部腫瘤を主訴に外来を受診し,乳腺間質肉腫右肺S10・腹腔内転移と診断し,開胸開腹肺部分切除・腹腔内腫瘍摘出術・幽門側胃合併切除術を施行した.初回手術より3年6カ月後に胸部CTで右肺S5に12mmの腫瘤が出現し,右中葉切除術を施行した.その後右肺S8/9に再び転移を認め,初回手術後4年6カ月後に右下葉切除術を施行した.現在初回手術後5年で,新たな再発なく生存中である.