日本臨床外科学会雑誌
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症例
劇症型Clostridium difficile腸炎に対して結腸全摘術を施行し救命した1例
武田 崇志大東 誠司塩崎 弘憲須藤 一起小野寺 久
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キーワード: 劇症型, CD腸炎, 結腸全摘術
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2011 年 72 巻 11 号 p. 2871-2876

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抄録

症例は78歳,女性.大腸癌術後2週間目に腹部膨満を主訴として来院.腸閉塞を疑って施行した腹部CTで大腸の壁肥厚および脾彎曲から下行結腸にかけての著明な拡張を認め,中毒性巨大結腸症と診断.さらに大腸内視鏡で偽膜形成を認め,Clostridium difficile(CD)毒素陽性であったため劇症型CD腸炎が原因と判断した.全身状態も安定していたため初期には保存的加療を選択したが,入院後4日目にDICを併発し緊急で結腸全摘術および回腸瘻造設を施行した.術後経過は良好で特に合併症なく術後28日目に退院となった.劇症型CD腸炎は手術を考慮する必要があるが,下痢症状を伴わない場合は早期診断が困難な場合もある.今回は迅速に診断し救命しえた劇症型CD腸炎を経験したため文献的考察を含め報告する.

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© 2011 日本臨床外科学会
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