2011 年 72 巻 12 号 p. 3075-3079
症例は62歳,女性.超音波検査で偶然骨盤腫瘍を発見され当院を紹介された.MRI,PET-CT検査では類円型,内部均一でFDGの強い集積を伴う腫瘍を認めた.小開腹手術で回盲弁から80cmの回腸に生じる直径6cmの腫瘍を切除した.病理組織検査により腫瘍は回腸憩室の筋層より生じておりKIT陽性であることからMeckel憩室に生じたgastrointestinal stromal tumor(GIST)と診断された.Meckel憩室由来のGISTは非常にまれで術前診断は困難であるが骨盤腫瘍の鑑別診断のリストに挙げられるべきである.複数の画像検査による診断と外科的完全切除が診療上重要である.