日本臨床外科学会雑誌
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症例
結腸に発生したMALTリンパ腫の1例
鬼塚 幸治北原 光太郎平田 敬治
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2011 年 72 巻 12 号 p. 3103-3107

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抄録

症例は61歳,男性.2009年4月,便潜血検査陽性のため近医で施行された大腸内視鏡検査でS-D junctionに隆起性病変を指摘され当科紹介受診.病変の一部に対してEMRを行い,組織学的にS状結腸原発MALTリンパ腫と診断した.H. pylori陽性だったため,6月より1次治療として除菌療法を施行し,8月の尿素呼気テストで除菌されたことを確認した.10月に大腸内視鏡検査で病変を観察したが腫瘍の縮小は認めず,11月より2次治療として局所放射線治療を施行した.2010年1月以降経時的に主病変の縮小,周囲病変の扁平化,白色瘢痕化を認め,2011年3月現在病変の再増大を認めていない.胃MALTリンパ腫治療の第一選択はH. pylori除菌となっているが,大腸原発に対する治療方針はまだ確立されていない.本症例は除菌無効で,局所放射線療法が有効であったが,今後局所再燃や腸管多発病変の出現に注意した経過観察が必要と思われる.

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