日本臨床外科学会雑誌
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症例
保存的に治癒した直腸癌術後遅発性縫合不全の1例
小南 裕明川崎 健太郎田中 賢一藤田 敏忠藤野 泰宏富永 正寛
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2011 年 72 巻 12 号 p. 3108-3112

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抄録

症例は68歳,男性.多発肝転移を伴うRa直腸癌に対して低位前方切除を施行した.術後経過は問題なく1カ月目から肝転移に対してmFOLFOX6を開始した.3クール終了時点で効果判定のために施行した腹部CTで仙骨前面の軟部陰影内に吻合部から連続する気泡が指摘された.下部消化管透視および内視鏡検査で直腸吻合線上に瘻孔の形成が認められたことから遅発性縫合不全と診断された.絶食,中心静脈点滴栄養管理を1週間行うことで瘻孔は閉鎖し気泡が消失したために1カ月の休薬期間を挟んで化学療法を再開した.

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© 2011 日本臨床外科学会
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