日本臨床外科学会雑誌
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臨床経験
膵内分泌腫瘍におけるFDG-PETの有用性
豊崎 良一大田 耕司棚田 稔井上 武菅原 敬文栗田 啓
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2011 年 72 巻 2 号 p. 294-297

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抄録

目的:膵内分泌腫瘍の約半数は悪性であるが,術前の悪性度診断は困難で,癌に準じた手術が行われてきた.今回われわれは,膵内分泌腫瘍に対しFDG-PETを用いて,悪性度の術前判定の指標となりえるか検討した.対象・方法:四国がんセンターにおいて2006年4月から2009年3月までに切除術を行った非機能性膵内分泌腫瘍7例について検討した.結果:FDGの異常集積は,高分化内分泌腫瘍の3例中3例,高分化内分泌癌の4例中2例で認められた.SUVmax. との関係をみると,高分化内分泌腫瘍が平均値27.46,高分化内分泌癌が平均値3.57であった.腫瘍径とSUVmaxの関係をみると20mm未満3例が平均2.02で,20mm以上4例が平均22.65であった.結論:FDGの異常集積は悪性度より腫瘍径と関係が強いように思われた.結語:FDG-PETによる膵内分泌腫瘍の悪性度評価を行う上での有用性は確認できなかった.

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