日本臨床外科学会雑誌
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症例
複数回切除により長期生存中の後腹膜原発脱分化型脂肪肉腫の1例
鈴木 紳祐森 隆太郎簾田 康一郎長谷川 誠司江口 和哉仲野 明
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2011 年 72 巻 2 号 p. 505-509

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抄録

症例は60歳,女性.20年前の昭和63年10月に後腹膜腫瘤の診断で腫瘍摘出,左腎,副腎合併切除術を施行した.さらに,その後平成16年1月に局所再発を認め,再発巣切除,脾・結腸部分合併切除術を施行した.その後,明らかな再発なく経過したが,平成20年5月に嚥下困難感が出現し,CTで後腹膜から縦隔内に至る腫瘤を認めたため,左開胸開腹し腫瘤摘出術を施行した.術後病理検査では初回,2回目の手術時の検体とあわせ,脱分化型脂肪肉腫と診断した.後腹膜腫瘍は多彩な病理像を呈し,同一の幹細胞から多種多様な腫瘍に分化するため,複数の組織型が混在することもある.また,有効な補助療法が確立されていないため,積極的な切除が必要である.今回,複数回切除により長期生存しえた後腹膜脱分化型脂肪肉腫の1例を経験したので,文献的考察を加え報告する.

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© 2011 日本臨床外科学会
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