日本臨床外科学会雑誌
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症例
Groove pancreatic carcinomaの1例
野北 英史久下 亨石川 博人堀内 彦之木下 壽文白水 和雄
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2011 年 72 巻 5 号 p. 1252-1255

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抄録

症例は76歳,女性.2009年12月食欲不振,嘔吐を認め2010年1月近医受診された.精査にて十二指腸下行脚に腫瘤性病変を認め精査加療目的にて2010年2月初旬当院紹介となった.上部消化管造影検査では十二指腸下行脚は完全閉塞し上部消化管内視鏡検査にて十二指腸狭窄部粘膜に上皮性変化は認めず,その際の生検では悪性所見は認めなかった.腹部CTではgroove領域に遅延性に造影効果を有する約22×24mm大の低吸収域を認めgroove pancreatic carcinomaが疑われた.3月初旬に膵頭十二指腸切除術を施行し,病理組織検査にて主座は副膵管領域で高分化管状腺癌が認められ,主膵管と総胆管は保たれていた.免疫染色にてCytokeratins7陽性,Cytokeratins20陰性であり,膵由来のものであった.今回,groove pancreatic carcinomaの1症例を経験したので若干の文献的考察を加え報告する.

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© 2011 日本臨床外科学会
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