72 巻 (2011) 6 号 p. 1364-1367
2009年7月までの4年間に単純性肝嚢胞に対し,腹腔鏡下嚢胞開窓除を行った7例を対象とした.術前検査で単純性嚢胞と診断し,何らかの自覚症状を伴う症例を適応とした.1例で術中静脈出血と胆汁ろうをみたが,腹腔鏡下に修復可能で,開腹移行例はなかった.全例で術後合併症を認めず,症状は消失し,現在まで症状の再発や嚢胞の増大は認めなかった.本邦報告例の検討でも,術後の長期成績は良好であったが,術中胆管損傷と術後の癌の発生が報告されていた.単純性肝嚢胞に対する腹腔鏡下嚢胞開窓術は安全で有用な方法であるが,綿密な術前診断と厳重な術後観察が必要である.