2011 年 72 巻 6 号 p. 1499-1502
右側肝円索を伴う胆石胆嚢炎に対し,蛍光胆道造影を用いて胆管解剖を確認しながら,単孔式腹腔鏡下胆摘術を施行した1例を報告する.症例は43歳女性.術前CTで右側肝円索と診断されていた.麻酔導入直後にindocyanine green(2.5mg)を静注,臍部のトロッカーから赤外観察用の硬性鏡を挿入し,任意のタイミングでカラー像を蛍光像に切り替えて蛍光胆道造影を行った.胆嚢を把持・挙上した段階では胆嚢管と総肝管が腹背方向に重なり識別困難であったが,蛍光像を見ながらCalot三角を適切な方向に展開することにより,胆嚢管を確実に同定し剥離を進めることができた.