2011 年 72 巻 6 号 p. 1521-1525
症例は9歳,男児.生後半年より肝機能異常を指摘されており,1歳時に施行された腹部超音波検査にて胆嚢内に1~2mmの小結石を数個認めた.各種肝炎ウイルス感染症や溶血性疾患などの基礎疾患はなかった.その後も肝機能異常を繰り返し,胆石症による肝機能障害と診断され当科紹介となる.整容性を考慮し,本人・家族の同意の上,単孔式腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行した.手術時間は98分,出血量はごく少量であり,術中・術後合併症なく術後3日目に退院となった.
小児に対する単孔式腹腔鏡下胆嚢摘出術は本邦で論文報告がなく,小児に対しても安全に施行でき整容性も優れていると考えられたため報告する.