72 巻 (2011) 6 号 p. 1616-1621
症例は83歳,女性.突然の腹痛が出現し当院を受診した.腹部CTで小腸壁肥厚および門脈ガス像をみとめ,Non occlusive mesenteric ischemiaの疑いで緊急手術を施行した.手術所見では,回腸と下行結腸が壊死しており,小腸切除および下行結腸切除を行った.術後はICUで全身管理を行った.徐々に全身状態は改善したが,四肢の筋力低下と人工呼吸器の離脱困難がみられた.頭部CTでは,明らかな異常はみられなかった.末梢神経伝導検査では軸索障害を認め,臨床経過をふまえ,clitical illness polyneuropathy(以下CIPと略記)と診断した.CIPは一般的にまだ十分に認識されておらず,見逃されていることも多いと思われる.この疾患を積極的に診断していくことで,長期的なADLを損なわないようにすることが重要である.