日本臨床外科学会雑誌
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臨床経験
透析患者の大腸癌手術症例の検討
佐藤 篤司春木 伸裕寺下 幸夫森 洋一郎原田 幸志朗斉藤 慎一郎
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キーワード: 透析患者, 大腸癌, 手術
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2011 年 72 巻 7 号 p. 1690-1694

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抄録

2003年3月から2010年9月までの7.5年間に当科で経験した透析患者の大腸癌手術症例について臨床的検討を行った.術前併存疾患は多種多様で高血圧,糖尿病,冠動脈疾患が多かった.手術は,待機手術が18例,緊急手術が2例に施行された.開腹手術が16例,腹腔鏡下手術が3例,腹腔鏡下手術から開腹手術へ移行した症例が1例であった.いずれの症例にも根治切除が可能であった.再建は19例に施行され,人工肛門が造設されたのは緊急手術の1例のみであった.術後合併症は5例(25%)に認めたが,全例が保存的に軽快した.透析患者に対する外科手術は以前より安全に施行できるようになり,根治性と生活の質を考慮した術式の選択が可能となってきた.しかし,重篤な合併症症例が多く,患者の高齢化や透析期間の長期化もあり,依然として高リスクである.周術期の慎重な管理と,長期的には他病死に対する注意が必要と考えられた.

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© 2011 日本臨床外科学会
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