日本臨床外科学会雑誌
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症例
十二指腸球部の脱出を認めたLarrey孔ヘルニアに腹腔鏡下手術を施行した1例
藤社 勉尾崎 雄飛上村 卓嗣村上 雅彦小山田 尚
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2011 年 72 巻 7 号 p. 1729-1733

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抄録

患者は,84歳,女性.食欲低下,嘔気,嘔吐のため,当院受診.胸部単純X線写真上,右側心横隔膜角が不明瞭であり,腹部CT検査上,横行結腸,胃が脱出したMorgagni孔ヘルニアと診断した.胃透視上,胃幽門部から十二指腸球部の胸腔内への脱出を認めた.腹腔鏡下手術を施行し,大網,横行結腸,胃幽門部,十二指腸球部が癒着しながら肝鎌状間膜の左側より胸腔内へ脱出したLarrey孔ヘルニアと術中診断した.大きさが6×4cmのヘルニア門を,Composix Kugel Patch®で修復した.術後経過は良好で,第7病日に退院した.本術式は,低侵襲性で,高齢者にとっても特に適した術式と考えられた.

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© 2011 日本臨床外科学会
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